レーザービーム発散測定クイックガイド

レーザーは高度に集束された単一波長の電磁ビームのための必需品です。低発散、単一波長放射および広範囲のレーザーパワー領域により、産業、研究分野における材料加工にとって、最も貴重なツールの一つとなっています。

レーザービーム発散は、レーザーメーカーやレーザースポットサイズを制御する必要のあるユーザーにとって、把握すべき重要なパラメータの一つです。レーザー溶接用途から、ウエハーダイシングや目の手術に至るまで、ビーム発散を知ることは、基本的なセットアップを行い、特定のプロセスのために必要となる力を正確に注ぐために、必要不可欠となります。

ここではレーザービーム発散測定に関する重要なコンセプトをご説明します。これを理解すれば不要なエネルギーの無駄を省くことにつながります。

まず、レーザービーム発散とは何か?

円形ビームの場合、発散は、レーザー開口からの距離によって大きくなるビーム直径の角度として定義されます。これはミリラジアン (mrad) または度 (°) で測定されます。簡単に言えば、ビームの源から対象までの拡大形状が分かります。

レーザービームが発散するのは、無限の距離で平行ビームを得るために、一方向に沿って共鳴して光子を放出する、極めて薄く長い原子の空洞を必要とするためです。これは現実世界での物事の仕組みとは異なります。例えば、ファイバー出力で発散の大きいファイバーレーザーを使用する、溶接、切削、被覆などの産業用途が増えつつあることを考慮すれば、発散の取扱いは免れません。

より精密には、発散は、ビームウエストの中心を参照として使用する、ビームが遠視野に拡大する角度として定義されます(すなわち、レイリー長よりもはるかに遠いビーム焦点からの距離)。

レイリー長Zrはビームウエストからビーム断面が二重になる場所までの伝搬軸に沿った距離です。

laser beam divergence measurement chart

図1:X軸とY軸の発散半角はθ = Div/2と定義されます。

レーザービーム発散測定はビームサイズが全てです

意図的に、円形レーザービームは、通常ビームの中心から端までガウス形状エネルギー密度分布(または放射照度)を有します。ベル形状曲線により、ビームエネルギーのほとんどが、伝搬軸に沿ってビームの中心にあることが分かります。

how to measure laser beam divergence

図2:理論上のガウスビーム断面

Beamage-4Mなどの適切なレーザービームプファイリングカメラで、エネルギー分布での最大エネルギー密度点Emax(ビームの中心)からエネルギー密度がEmax / e2に等しくなる場所までの距離によって定義されるビーム半径など、ISOに準拠したビームサイズ測定が可能です。

図3:Gentec-EO PC-Beamageソフトウェアが実際のビームのXとYで実現したガウシアンフィッティングの例。XとYのビーム寸法はこのフィッティングから導かれます。

ご自分の目でお確かめください!PC-Beamageソフトウェアとシミュレーションビームを無料でダウンロードしてお試しいただけます。

レーザービーム発散公式

円形ガウスビームの場合、発散最小可能値はこのシンプルな公式で算出します。

laser beam divergence formula

レーザー波長とビームの本来のウエスト:Z軸に沿った最小寸法。

ガウスレーザービームは測定された発散がθ0に近づくと回折限界とされます。最適なパフォーマンスを実現すること、それがゴールです!

ここにレーザービーム発散を簡単に測定する方法があります。

静止していますか?

カメラをレーザーの伝搬軸に沿って動かすことが発散の測定に必要だと考える人もいるかもしれませんが、実際には違います!

レーザービームのM2係数(ビーム品質係数とも呼ばれます) を収集するために、発散θとビームウエストω0の両方を測定しなければならず、これには実際にウエストを見つけそのサイズを測定するためにZ軸に沿って動かす必要があるということを誰もが考えています。

無次元のM2係数はレーザービーム品質のインジケータであり、ビーム伝搬がいかに同じ波長の理論上ガウスビームの伝搬に近いかを数値化するものです。

M2係数の測定にはビームプロファイラー用の移動ステージのほか、レンズと調整ミラーを使用する必要があります。これはGentec-EOオートBeamage-M2システムによりパッケージセットとしてお求めいただけます。これによりビーム品質に関するさらに詳しい情報が得られますが、ここでは発散を算出するためにZ軸に沿った複数のビーム直径値を出す必要はありません。

静止しましょう!

最初のステップはカメラとレーザーの間に収差フリー集束レンズを配置することです。大事なのは、レンズをレーザービームとカメラセンサーの遠視野の、レンズの焦点(ビームウエストではない)に正確に配置することです。

この時点では算出が全てです!ISO11146:2005基準によれば、両方の主要軸(XとY)の発散は以下で求められます。

 

ωf はレンズからの距離fにある焦点スポットの幅で、はご利用のレーザー波長でのレンズの焦点距離です。 焦点距離は波長に応じて変わるため、レンズ販売元から正確な値を得るよう注意してください。

この方法は非ガウスビームにも適用できます。焦点前後のビーム直径を測定する必要はありません。これはこの設定の利点です。レンズの焦点距離を変更する場合、焦点でのビームサイズが変わりますが、お持ちのカメラが焦点にうまく配置されていれば、測定される発散は同じになります。

PC-Beamageをコンピュータにインストールして起動したら、発散タブを開いてお楽しみください!

レーザービームの発散を制御できる?

例えば高出力ファイバーレーザーでは、サンプルは通常そのファイバー出力に近づけて処理されますが、発散はオプティカルスキャナで制御、修正され、これにより処理されるサンプルに必要なビームサイズが提供されます。

コリメータは電気通信用途や各種ダイオードレーザーなどの低出力ファイバーレーザー用途にも使用することができます。

発散を簡単に測定する方法が分かったところで、実際に様々な光学をテストし、レーザービームサイズにどのような影響を与えるかを評価してみましょう。

レーザービームの自然発散を利用して、ビームサイズを拡大したり、レーザーパワーメータによるパワー測定のためのパワー密度損傷閾値に適合させることができます。

laser beam divergence control and measurement

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Gentec Electro-Opticsはレーザービームおよびテラヘルツ光源測定・分析を専門としています。50年にわたってレーザー市場における最先端技術を開発し、他に類を見ない革新的な実績を積み上げながら、Gentec-EOはレーザービーム測定分野のエキスパートへと発展しました。 工場から病院、研究所、リサーチセンターまであらゆる種類のレーザー用途に対し、Gentec-EOは幅広い標準製品およびカスタマイズソリューションを取り揃え、現在と未来に対応する準備を整えています。
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